ワーキングメモリを鍛えるための定番、Nバック課題



ワーキングメモリを鍛えるのがNバック課題です。


Nバック課題とは、提示される数字や記号、音などの連続刺激から、N回前の刺激を思い出すもの。


振り返って、直前の出来事を思い出す作業です。


App StoreやGoogle Playでn-backを検索すると、無料ゲームがたくさんヒットするので、それらを使ってワーキングメモリを鍛えるとよいでしょう。


スイスのベルン大学で、Nバック課題を被験者に行わせ、流動性知能を評価するときに一般的に使われるテスト(Ravens Advanced Progressive Matrices、BOMAT)を用いて、トレーニング前後の流動性知能をテストしています。


平均25.6歳の70人の被験者を対照に、ワーキングメモリをそれぞれ8日、12日、17日、19日トレーニングする群と、なにもトレーニングしない対照群の5群に割り振って実験を行っています。


ワーキングメモリをトレーニングした各トレーニング群(8、12、17、19日)の成績変化。トレーニング期間が長くなるほど、ワーキングメモリ能力が向上
ワーキングメモリをトレーニングした各トレーニング群(8、12、17、19日)の成績変化。トレーニング期間が長くなるほど、ワーキングメモリ能力が向上


その結果、トレーニングをした4群ともワーキングメモリ能力と流動性知能が向上し、トレーニングする期間が長くなればなるほど、ワーキングメモリ能力と流動性知能の両方ともがさらに向上していったのです。


認知機能の要ともいえるワーキングメモリと、遺伝的要素に強く影響され、後天的に獲得するのがむずかしいといわれる流動性知能が、ワーキングメモリトレーニングによって改善できるということです。


ワーキングメモリをトレーニングすることによる流動性知能への学習転移。aはトレーニングした群とトレーニングしなかった群の対比。bはワーキングメモリのトレーニング期間が長くなるほど流動性知能が向上することを示している
ワーキングメモリをトレーニングすることによる流動性知能への学習転移。aはトレーニングした群とトレーニングしなかった群の対比。bはワーキングメモリのトレーニング期間が長くなるほど流動性知能が向上することを示している


ミシガン大学でも小中学生にNバック課題をやらせたところ、同じように流動性知能が向上することが確認されています。



参照)Improving fluid intelligence with training on working memory