心臓の健康=脳の健康



脳には「重い」イメージがありますが、実は、わたしたちの全体重の2%ほどの重量しかありません。


しかし、脳を動かすために使っている燃料がはんぱではありません。


体全体で消費しているグルコースの25%、体全体で消費している酸素の20%を用いて脳の働きを維持するエネルギーを作り出しているのです。


これだけ大量の酸素とグルコースを血液に乗せて脳に送り込んでいるのが、心臓と血管からなる心臓血管系です。


そのため、心臓血管系の働きが落ちると、血流が悪くなって認知力が低下するリスクが高まります。


ブドウ糖や酸素が届かなくなって、神経細胞がエネルギー不足に陥るからです。


これが原因で起こるのが、認知症のなかでも、アルツハイマー病に次いで多い「脳血管性認知症」です。


ということは、脳血管系に配慮した生活を送れば、認知力は維持できるのでしょうか?


マイアミ大学とコロンビア大学が合同で、心臓血管系の健康度合いと脳の健康度合いの関連性を調べる研究を行っています。


心臓の健康度合いを測る指標にしたのは、米国心臓協会(American Heart Association)が作った “Life’s Simple Seven®”です 。


それは、


● 高いコレステロール濃度
● 高血圧
● 少ない運動量
● 肥満、体重過多
● 喫煙習慣
● 糖尿病
● 不適切な食事


の7つを心臓血管系のリスクファクターと定め、ここから心臓の健康度合いを評価します。


最初、平均72歳の1033人の記憶力、思考力、情報処理スピードをテストし、およそ6年後に、1033人中の722人に再テストしています。その結果、以下のようなことがあきらかになりました。


● 心臓血管系によい習慣を持つ人ほど情報処理スピードが速いことが最初のテストでわかった。


● 喫煙習慣がないこと、理想的な空腹時血糖値であること、理想的な体重であることが心臓血管系の健康に大きく影響していた。


● 6年後の調査で、心臓血管系がじょうぶであればあるほど、情報処理スピード、記憶力、実行機能が低下しないことがわかった。


“Life’s Simple Seven®”の7要因は、心がけで改善することができる内容です。


心疾患と脳血管疾患は日本人の死因の2位と4位ですが、心臓や血管の健康を心がけることが脳の健康にもつながるということです。



参照)Healthy heart equals healthy brain