脳は寝ている間にデトックスされる



脳のデトックスには毎日の十分な睡眠が欠かせないことが最近の研究でわかってきました。


脳の重さは1200gしかなく、平均的な大人の全体重に占める割合はわずか2%です。


ところが、脳は、体内に取り込まれる全酸素の20%、おなじく全グルコースの25% を消費しています。


大きさの割には代謝が激しい脳は、毎日、大量の老廃物を作り出しています。


たとえば、毎日、脳内で作り出されるタンパク質の老廃物はおよそ7g。


つまり、1か月で200g、そして1年も満たないうちに脳そのものの重さの老廃物を排出していることになります。


体内の細胞が活動することで生み出す老廃物はリンパシステムを通じて肝臓に送られ、最終的に体外に排出されています。


ところが、脳は血液脳関門に守られた閉鎖系になっているため、リンパシステムが入っていけません。


リンパシステムの代わりに、脳内から有毒な老廃物を除去しているのがグリンパティックシステム(glymphatic system)です。このシステムが、脳脊髄液を使って、脳細胞から排出される大量の老廃物を処理しています。


グリンパティック(glymphatic)とはglial(グリア)とlymphatic(リンパ管)が融合した言葉で、脳脊髄液を動かしているグリア細胞にちなんでいます。


グリンパティックシステムはわたしたちが眠りにつくと猛烈に働き始め、睡眠時には、起きているときと比べて、10倍も活性化します。


寝不足になると、脳の働きが悪くなったり気分が落ち込んだりするのは、脳のデトックスがうまく行われていないことが一因になっています。


睡眠不足はアルツハイマー病になるリスクを上げます。


シナプスにおいて神経細胞がメッセージをやり取りするときに放出されるβアミロイドが脳内に過剰に蓄積すると、毒性を持ったオリゴマーが作られ、アルツハイマー病の原因になることが知られています。


よく眠ることで、このβアミロイドも脳内からデトックスできます。


つまり、アルツハイマー病の原因となるβアミロイドの脳内蓄積を回避することができるのです。


Neurology誌のオンライン版に発表された睡眠と脳の容量の関連性を調べた研究では、脳をスキャンし、3年半後にもう一度スキャンしたところ、不眠症などで睡眠の質が悪い人は脳容量の減り方が激しく、60歳を超えると、とくにその傾向が顕著に現れたということです。


シャープな脳を保つには質のよい睡眠が欠かせないということです。



(参照)Scientists Discover Previously Unknown Cleansing System in Brain

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